オゼンピック(セマグルチド)の製造中止が話題となった背景には、ノボノルディスクファーマによる販売移管と出荷調整が深く関わっています。
2型糖尿病治療薬としての需要急増に供給体制が追いつかず、一時的な出荷停止や用量制限が生じた経緯がありました。
ダイエット目的での適応外処方が世界的に拡大したことも、供給不足に拍車をかけた大きな要因。
2026年現在、オゼンピック皮下注2mgの販売中止についても情報が錯綜しており、医療機関での処方可否は地域や在庫状況で異なります。
製造中止の真相と今後の供給見通し、マンジャロなど代替薬との違いを正確に把握しておくことが、治療を継続するうえで欠かせません。
オゼンピックは製造中止ではなく一時的な出荷停止だった経緯を解説
オゼンピック製造中止なぜという疑問を持つ方が増えていますが、実際には製造中止ではなくノボノルディスクファーマによる出荷調整が正確な表現です。
2022年2月にオゼンピック皮下注SDの出荷停止が発表されて以降、SNSやインターネット上で製造中止という誤った情報が広まりました。
代替品としてオゼンピック皮下注2mgが2022年5月に薬価収載され、2024年1月には通常出荷も再開されています。
ただしSD製剤は2025年4月に薬価基準収載品目から削除され販売終了となったため、一部のSD製剤については実質的に販売中止と言える状況です。
オゼンピック皮下注2mgは現在も処方可能であるため、オゼンピック自体が製造中止になったわけではない点を正しく理解しておく必要があります。
完全な製造中止ではなくノボノルディスクファーマによる出荷調整だった
オゼンピックの出荷停止は製造中止ではなく、ノボノルディスクファーマが行った出荷調整措置でした。
2022年2月14日、ノボノルディスクファーマはオゼンピック皮下注0.25mgSD、0.5mgSD、1.0mgSDについて出荷調整および出荷停止が発生する見込みだと発表しています。
この措置はFDA査察を受けたヨーロッパの提携製造会社が製造と輸出を一時的に中止したことに起因するものでした。
日本糖尿病学会も同日付で対応方針を公開し、2型糖尿病患者への安定供給確保に向けた動きを開始しました。
製品の品質に問題があったわけではなく、製造拠点における工程上の指摘が原因であった点が重要です。
ノボ ノルディスクファーマは2月14日、持続性GLP-1受容体作動薬・オゼンピック皮下注0.25mgSD、0.5mg SD、1.0mg SDについて出荷調整・出荷停止が発生する見込みだと発表した。
引用元:m3.com 薬剤師コラム
日本糖尿病学会は、2022年2月14日に「オゼンピック皮下注SDの製造輸出一時中止に伴う出荷調整への対応について」を公開した。
引用元:一般社団法人 日本糖尿病学会
オゼンピック皮下注2mgは2024年1月から通常出荷が再開されている
オゼンピック皮下注2mgは2024年1月初旬より通常出荷が再開され、現在は安定的に供給されています。
ノボノルディスクファーマは2023年12月12日に限定出荷の解除と通常出荷の再開見通しを公表しました。
2023年8月には需要に見合った供給が難しいとの理由で限定出荷が行われていたものの、供給体制の改善により約5カ月で制限が解除された形です。
オゼンピック皮下注2mgの販売中止を心配する声もありましたが、限定出荷はあくまで一時的な措置にすぎませんでした。
2026年現在、医療機関ではオゼンピック皮下注2mgの処方が通常どおり行われています。
同社は「オゼンピック皮下注2mg」について、2023年8月の時点で「需要に見合った供給が難しい」という理由で限定出荷をしていたが、2024年1月初旬より関係卸への限定出荷を解除し、通常出荷を再開する予定としている。
引用元:糖尿病リソースガイド
オゼンピック皮下注SDは2026年に薬価収載から削除され販売終了した
オゼンピック皮下注SDは2025年4月に薬価基準収載品目から削除され、正式に販売終了となりました。
経過措置期間は2024年4月1日から2025年3月末日まで設けられ、この期間中に医療機関では在庫の消化や代替製剤への移行が進められています。
ノボノルディスクファーマは2023年11月の時点でSD製剤を経過措置品目に移行すると公表しており、オゼンピック皮下注2mgへの供給集中を明確に打ち出していました。
SD製剤の販売終了は出荷停止の延長線上にある判断であり、2mg製剤で十分に代替できると判断された結果といえます。
今後オゼンピックの処方を受ける場合、すべてオゼンピック皮下注2mgでの対応となる点を把握しておきましょう。
オゼンピック®皮下注SDは2020年6月29日より販売しておりましたが、2025年4月に薬価基準収載品目削除となり販売を終了しました。
引用元:住友ファーマ株式会社
ノボ ノルディスクファーマは11月16日、出荷停止中の「オゼンピック皮下注SD」について24年4月より経過措置品目に移行すると公表した。
引用元:ミクスOnline
オゼンピックが出荷停止・製造中止になった理由は製造工程の問題と需要急増
オゼンピックが出荷停止に至った理由は、大きく分けて2つあります。
1つ目はヨーロッパの提携製造会社がFDA査察を受けた後に製造と輸出を一時中止したこと、2つ目は世界的なGLP-1受容体作動薬の需要急増により供給が逼迫したことです。
これら2つの要因が重なり、日本国内でも2型糖尿病患者への供給に深刻な影響が出ました。
日本糖尿病学会と日本糖尿病協会は厚生労働省へ要望書を提出し、安定供給の確保を求める対応をとっています。
オゼンピック製造中止なぜという疑問に対しては、製品品質の問題ではなく外部要因が複合的に作用した結果だったと理解するのが正確です。
FDA査察によるGMP上の指摘で提携製造会社が製造・輸出を一時中止した
オゼンピック皮下注SDの出荷停止は、ヨーロッパの提携製造会社がFDA査察後にGMP:医薬品の製造管理および品質管理基準の観点から製造と輸出を一時中止したことが直接の原因です。
2022年2月時点で再稼働の時期は未定とされ、日本への安定供給に影響が及びました。
ただし、ノボノルディスク社の製品品質に関連する問題はなく、すでに出荷されていたオゼンピック皮下注SDの品質にも影響がないと報告されています。
ヨーロッパの提携製造会社がFDA査察後に製造と輸出を停止
ヨーロッパにあるノボノルディスク社の提携製造会社がFDA査察を受け、製造と輸出を一時的に停止しました。
この提携製造会社はオゼンピック皮下注SDの製造を担っており、FDAの査察でGMP上の指摘を受けたことが停止の直接的な契機となっています。
ノボノルディスクファーマは2022年2月14日にこの情報を日本国内へ通知し、1.0mg製剤は3月初旬以降、0.25mg/0.5mg製剤は3月中旬以降に出荷停止になる見込みだと発表しました。
再稼働時期について現時点で決定していないとの説明があり、復旧の見通しが立たない状況が続いたことが医療現場の混乱を招きました。
製造拠点が海外に集中していたことが、供給リスクを高める要因であったと指摘する声も少なくありません。
FDA査察を受けた欧州の提携製造会社から、製造と輸出を一時的に中止したとの報告を同社が受けたことによるもの。今後の再稼働時期について現時点で決定していないという。
引用元:m3.com 薬剤師コラム
ノボノルディスク社の製品品質には問題がなかったと報告されている
出荷停止の原因は提携製造会社の製造工程にあり、ノボノルディスク社の製品品質には問題がなかったと公式に報告されています。
すでに日本国内へ出荷されていたオゼンピック皮下注SDの製剤品質にも影響はないとの見解が示されました。
岡山大学病院糖尿病センターの情報でも、出荷済み製品の品質および安全性に懸念がないことが確認されています。
手元にあるオゼンピック皮下注SDについては品質上の理由で使用を中止する必要はなく、引き続き医師の指示に従って使用できる状況でした。
製品自体の安全性と製造拠点の問題を区別して理解することが、正確な情報把握につながります。
ノボ ノルディスク製品の品質に関連する問題はなく、すでに日本へ出荷されているオゼンピック皮下注SDの製剤の品質に影響はないとしている。
引用元:糖尿病リソースガイド
世界的なGLP-1受容体作動薬の減量需要急増で供給が逼迫した背景
製造工程の問題に加え、世界的なGLP-1受容体作動薬の需要急増がオゼンピックの供給逼迫に拍車をかけました。
セマグルチドの処方数は2021年1月から2023年12月の間に442%増加したとのデータがあり、2型糖尿病の治療に必要な患者への供給が脅かされる事態に発展しています。
美容やダイエット目的での適応外使用が品薄をさらに加速させ、本来の治療対象である2型糖尿病患者が薬を入手しにくくなるという深刻な問題を引き起こしました。
セマグルチドの処方数が442%増加し2型糖尿病患者への影響が拡大
GLP-1受容体作動薬の有効性が広く認知されたことにより、セマグルチドの処方充填数は442%という急激な伸びを記録しました。
心保護効果や腎保護効果、体重減少効果が臨床試験で示されたことが、処方数増加の背景にあります。
需要の爆発的な拡大は製薬企業の生産能力を上回り、世界規模での供給不足を招きました。
日本国内でもGLP-1受容体作動薬の需要拡大により、需要に見合った供給が難しくなることが予想されるとノボノルディスクファーマが公表しています。
2型糖尿病患者が血糖コントロールに必要な薬剤を安定して入手できなくなるリスクは、医療上の重大な課題として認識されるべきでしょう。
GLP-1受容体作動薬の心保護・腎保護効果および体重減少との関連が明らかになり需要が拡大した結果、世界的な供給不足が生じた。
美容・痩身目的の適応外使用が品薄に拍車をかけた問題
2型糖尿病の治療薬として承認されているGLP-1受容体作動薬が、美容・痩身・ダイエット目的で適応外に使用されるケースが急増し、品薄に拍車をかけました。
PMDAは、インターネット上で適応外使用を推奨する広告が掲載されている実態について注意喚起を行っています。
日本国内では2型糖尿病のみが効能・効果として製造販売承認を取得しており、それ以外の目的で使用された場合の安全性および有効性は確認されていません。
ソーシャルメディアや有名人による推薦が一般の認知度を急速に高め、処方数の増加と薬剤不足に直結したとの分析もあります。
適応外使用の拡大は本来の治療を必要とする患者の薬剤アクセスを妨げる行為であり、社会的な問題として対策が求められています。
現時点で日本においてGLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬については、2型糖尿病のみを効能・効果として製造販売承認を取得しているものであり、それ以外の目的で使用された場合の安全性及び有効性については確認されておりません。
日本糖尿病学会と日本糖尿病協会が厚生労働省へ要望書を提出し対応した
オゼンピックの出荷停止を受け、日本糖尿病学会と日本糖尿病協会は迅速に厚生労働省へ要望書を提出しました。
2022年2月23日に提出された最初の要望書では、2型糖尿病患者への安定供給確保が求められています。
さらに2023年11月6日には日本糖尿病協会、日本糖尿病学会、日本くすりと糖尿病学会の3団体連名で糖尿病治療薬の安定供給に関する要望書が厚生労働省医政局へ提出されました。
代替薬への切り替え時における投与開始量の情報提供や、患者の治療継続を支援する体制整備が進められています。
学会主導の働きかけが供給改善に向けた行政対応を促進させた点は、今後の医薬品供給問題においても参考となる取り組みといえるでしょう。
2022年2月23日に「オゼンピック皮下注SDの出荷調整および出荷停止に対して2型糖尿病患者への安定供給確保のための要望書」が厚生労働省医政局長宛に日本糖尿病学会・日本糖尿病協会から提出された。
引用元:一般社団法人 日本糖尿病学会
2023年11月6日に日本糖尿病協会、日本糖尿病学会、日本くすりと糖尿病学会の連名にて「糖尿病治療薬の安定供給に関する要望書」を、厚生労働省医政局へ提出しました。
オゼンピック出荷停止から通常出荷再開までの時系列と経過措置
オゼンピックの出荷停止から通常出荷再開までには約2年の期間を要しました。
2022年2月のSD製剤出荷停止発表に始まり、2022年5月の2mg製剤薬価収載、2023年8月の2mg製剤限定出荷、そして2024年1月の通常出荷再開と段階的に状況が変化しています。
経過措置期間を経てSD製剤は2025年4月に薬価基準から削除され、現在はオゼンピック皮下注2mgのみが流通する体制に移行しました。
オゼンピック製造中止2025というキーワードで検索される方は、このSD製剤の販売終了を指しているケースが多いと考えられます。
以下の時系列を確認することで、出荷停止から現在までの全体像を正確に把握できるでしょう。
2022年2月にオゼンピック皮下注SDの出荷調整・出荷停止が発表された
2022年2月14日、ノボノルディスクファーマはオゼンピック皮下注SDの出荷調整および出荷停止が発生する見込みであると発表しました。
日本糖尿病学会と日本糖尿病協会も同日に対応方針を公開し、医療機関への情報提供が開始されています。
1.0mg製剤は3月初旬以降、0.25mg製剤と0.5mg製剤は3月中旬以降に出荷停止となる見込みとされ、段階的な供給停止が予告されました。
ヨーロッパの提携製造会社における製造と輸出の一時中止がこの出荷停止の直接的な原因です。
2型糖尿病の治療でオゼンピック皮下注SDを使用していた患者にとって、代替薬の確保が急務となった時期でした。
日本糖尿病学会と日本糖尿病協会は2022年2月14日、GLP-1受容体作動薬のオゼンピック皮下注SD(一般名セマグルチド)が今後、出荷調整および出荷停止となる見込みであることを受け、対応について発表した。
引用元:日経メディカル
2022年5月にオゼンピック皮下注2mgが代替品として薬価収載・発売された
SD製剤の出荷停止に対応する形で、オゼンピック皮下注2mgが2022年5月に薬価収載されました。
この2mg製剤は2018年に承認を取得していた用量調節可能な複数回投与ペン型注入器であり、SD製剤とは異なるデバイスです。
ノボノルディスクファーマはSD製剤の出荷停止発表時から2mg製剤の薬価収載準備を進めており、できる限り早い時期に届けられるよう最善を尽くすと表明していました。
2mg製剤の発売日は2022年5月であり、SD製剤の出荷停止から約3カ月で代替品が市場に投入されたことになります。
この迅速な対応により、多くの2型糖尿病患者がセマグルチドによる治療を継続できる体制が整いました。
オゼンピック®皮下注2mgは、2022年5月に薬価収載された。
引用元:住友ファーマ株式会社
2023年8月にオゼンピック2mg製剤も需要増加により限定出荷となった
2023年8月、代替品として供給されていたオゼンピック皮下注2mgも需要増加の影響を受け限定出荷に移行しました。
GLP-1受容体作動薬の国内外の需要拡大により、需要に見合った供給が難しくなることが予想されるとノボノルディスクファーマが説明しています。
今回の限定出荷は製造における不具合発生によるものではなく、純粋に需要が供給能力を上回ったことが原因でした。
2mg製剤で治療中の患者に対しては他のGLP-1受容体作動薬への切り替えは不要であり、現在の治療の継続が推奨されています。
限定出荷の発表は2型糖尿病治療に携わる医療機関に再び緊張感をもたらす出来事となりました。
ノボ ノルディスクファーマは、GLP-1受容体作動薬「オゼンピック皮下注2mg」について、限定出荷を行うことを公表した。GLP-1受容体作動薬の国内外の需要拡大により、需要に見合った供給が難しくなることが予想されるとしている。
引用元:糖尿病リソースガイド
2024年1月にノボノルディスクファーマが限定出荷を解除し通常出荷を再開
2024年1月初旬、ノボノルディスクファーマはオゼンピック皮下注2mgの限定出荷を解除し通常出荷を再開しました。
2023年12月12日に限定出荷解除の見通しが公表されてから約3週間での再開となり、2023年8月からの限定出荷期間は約5カ月間でした。
関係卸への出荷制限がなくなったことで、医療機関は必要量を安定して入手できる環境に戻っています。
SD製剤の出荷停止から通常出荷再開まで約2年という期間は、グローバルな医薬品供給の脆弱性を示す事例として記憶されるべきものです。
2025年現在、オゼンピック皮下注2mgの経過措置は不要であり、通常の処方フローで患者へ提供されています。
同社は「オゼンピック皮下注2mg」について、2023年8月の時点で「需要に見合った供給が難しい」という理由で限定出荷をしていたが、2024年1月初旬より関係卸への限定出荷を解除し、通常出荷を再開する予定としている。
引用元:糖尿病リソースガイド
オゼンピックSD製剤と2mg製剤の違いは使い切りか複数回投与かの違い
オゼンピックにはSD製剤と2mg製剤の2種類が存在し、最大の違いは使い切りタイプか複数回使用できるタイプかという点にあります。
SD製剤は針があらかじめ装着された1回使い切りのデバイスで、0.25mg・0.5mg・1.0mgの3種類がラインナップされていました。
一方、2mg製剤は1本のペン型注入器で用量を調整しながら複数回使用できる構造です。
針の種類や処方方法、使い方もSD製剤と2mg製剤では異なるため、切り替え時には医師や薬剤師からの指導が欠かせません。
現在はSD製剤が販売終了しオゼンピック皮下注2mgのみが処方されている状況であり、これからオゼンピックの処方を受ける方は2mg製剤の使用方法を正しく把握しておく必要があります。
SD製剤は針の取り付け不要な使い切りタイプで0.25mg・0.5mg・1.0mgの3種類
オゼンピック皮下注SDは2020年6月に発売された単回使用ペン型注入器で、日本のみで販売された製剤です。
SD製剤には0.25mg、0.5mg、1.0mgの3種類の用量が用意されており、各用量がそれぞれ1回分の使い切りとなっていました。
針があらかじめ装着されているため、注射針の取り付け作業や空打ちが不要で、注射に不慣れな患者でも扱いやすい設計が特徴です。
しかしながら、1本で1回分しか使用できないため製造コストや供給面での効率性に課題がありました。
SD製剤は2025年4月に薬価基準から削除され販売終了となったため、現在は入手することができません。
針がついてる使い切りタイプのオゼンピックを探している方は、SD製剤がすでに販売終了している点を把握しておくべきでしょう。
2mg製剤は1本で複数回使用でき用量調整が可能なペン型注入器
オゼンピック皮下注2mgは1本のペン型注入器に2mg分のセマグルチドが充填されており、用量に応じて複数回使用できる設計となっています。
投与量ごとの使用回数と、SD製剤との主な違いを以下に整理しました。
- 0.25mg投与の場合:1本で8回分使用できる
- 0.5mg投与の場合:1本で4回分使用できる
- 1.0mg投与の場合:1本で2回分使用できる
- SD製剤と異なり、使用前に対応する注射針の装着と空打ちが必要になる
- ペンニードルプラスなど対応する針は別途処方を受ける必要がある
オゼンピック1本で何回分使えるかは維持用量によって変わり、0.25mgの開始用量であれば最大8回、0.5mgの維持用量であれば4回が目安です。
週1回投与のため、0.5mg維持の患者なら1本で約1カ月分に相当する計算となります。
0.25mgなら8回・0.5mgなら4回・1.0mgなら2回使用できる
オゼンピック皮下注2mgの投与量と使用回数の関係は、1本あたりの充填量2mgから算出されます。
通常、2型糖尿病の治療ではセマグルチドとして週1回0.25mgから投与を開始し、4週間後に0.5mgへ増量するのが標準的な用量調整の流れです。
効果不十分な場合は医師の判断で週1回1.0mgまで増量できる可能性がありますが、添付文書に記載された上限を超えてはなりません。
投与量ごとの使用回数を把握しておくことで、次回の処方タイミングや残量の管理がしやすくなります。
オゼンピック2mgの使い方として、投与スケジュールと残量確認を習慣化することが治療継続の鍵を握ります。
2mg製剤はペンニードルプラスなど対応する針の処方が必要になる
SD製剤とは異なり、オゼンピック皮下注2mgでは使用のたびに注射針を取り付ける必要があります。
対応する針の種類として、ペンニードルプラスが広く使用されているほか、マイクロファインやナノパスニードルといった製品も医療機関によって処方される場合があります。
オゼンピック2mgの針の種類は医師や薬剤師が患者の状況に合わせて選定するため、自己判断で針を購入・変更することは避けるべきです。
針はオゼンピック本体とは別に処方されるため、受診時にオゼンピックの針処方を忘れずに確認しましょう。
ペンニードルプラスの場合、針の長さや太さが異なる複数の規格があり、注射部位や患者の体型に応じた選択が行われます。
| 針の種類 | 特徴 | 針の長さ |
|---|---|---|
| ペンニードルプラス | ノボノルディスク社製の標準対応針 | 4mm〜8mm |
| ナノパスニードル | テルモ社製の極細針 | 4mm |
| マイクロファイン | BD社製のペン用注射針 | 4mm〜5mm |
上記はオゼンピック皮下注2mgで使用される代表的な針の種類です。
ペンニードルプラスはオゼンピックのペン型注入器と同じノボノルディスク社の製品であり、互換性が担保されています。
ナノパスニードルやマイクロファインも医療機関で処方されるケースがあるため、どの針が自分に処方されているかを主治医に確認するのが確実な対応といえるでしょう。
現在はSD製剤が販売終了しオゼンピック皮下注2mgのみが処方されている
2025年現在、オゼンピックの処方はすべてオゼンピック皮下注2mgで行われています。
SD製剤は2025年4月に薬価基準収載品目から削除されたため、医療機関で処方を受けることはできません。
ノボノルディスクファーマは2mg製剤のナンバー入先数と使用患者数がSD製剤を大きく上回っている状況を踏まえ、2mg製剤の供給に集中する方針を明確にしています。
オゼンピック販売移管の観点からも、SD製剤から2mg製剤への移行は計画的に進められたものでした。
今後オゼンピックの処方を受ける患者は、2mg製剤特有の針の装着や空打ちといった手順を習得する必要があります。
オゼンピック出荷停止中の代替薬と切り替え時の血糖コントロールの注意点
オゼンピックの出荷停止期間中、多くの2型糖尿病患者が代替薬への切り替えを余儀なくされました。
GLP-1受容体作動薬にはトルリシティやビクトーザなど複数の選択肢があり、患者の希望や生活様式を考慮した上で主治医が最適な代替薬を選定しています。
切り替え時には血糖値のモニタリングや投与量の調整が不可欠であり、指導せんに沿った適切な管理が求められました。
2024年1月の通常出荷再開後は医師の判断でオゼンピック2mgへ戻すことも可能となっています。
以下では代替薬の種類と切り替え時の具体的な注意点を詳しく解説します。
トルリシティやビクトーザなど他のGLP-1受容体作動薬への切り替え方法
オゼンピック皮下注SDの出荷停止を受け、日本糖尿病学会はトルリシティ皮下注アテオス等の代替薬への切り替えを推奨しました。
切り替え先の候補として挙げられた主なGLP-1受容体作動薬を以下に整理しました。
- トルリシティ皮下注アテオス:週1回投与のGLP-1受容体作動薬で、デバイスの操作が簡便
- ビクトーザ皮下注:毎日投与のGLP-1受容体作動薬で、用量調整の柔軟性が高い
- リベルサス錠:経口GLP-1受容体作動薬で、注射が不要な唯一の選択肢
- マンジャロ皮下注:GIP/GLP-1受容体作動薬で、血糖値改善と体重減少の両面に作用
患者の希望や生活様式を考慮して代替薬を選定することが重要であり、投与頻度やデバイスの使いやすさも選択基準に含まれます。
主治医と相談の上、自身の治療目標に合った代替薬を検討しましょう。
欠品となった場合には、患者の希望や生活様式を考慮して、代替薬(トルリシティ皮下注アテオス等)への切り替えを行ってください。
引用元:岡山大学病院 糖尿病センター
代替薬への切り替え時は血糖値モニタリングと投与量の調整が必要になる
代替薬への切り替え時には、血糖自己測定または血液検査で適宜血糖値をモニターし、急激な血糖コントロールの悪化に注意することが求められています。
GLP-1受容体作動薬はそれぞれ作用の強さや持続時間が異なるため、同じ用量で単純に置き換えることはできません。
日本糖尿病学会は2022年3月30日にオゼンピック皮下注SDの出荷停止に伴う類薬への切り替え時の投与開始量についての情報を公開し、医療従事者への指導せんとして活用されました。
胃腸障害が発現し持続する場合は減量を考慮し、症状が改善しなければ休薬も検討する必要があります。
経口GLP-1受容体作動薬への切り替え時は注射薬から維持量で投与を開始した際の胃腸障害の頻度が不明であるため、慎重な経過観察が不可欠です。
代替薬投与にあたっては、血糖自己測定または血液検査等で適宜血糖値をモニターし、急激な血糖コントロールの悪化に注意すること。
引用元:糖尿病リソースガイド
通常出荷再開後は医師の判断でオゼンピック2mgへの戻しが可能になった
2024年1月の通常出荷再開により、出荷停止中に代替薬へ切り替えていた患者もオゼンピック皮下注2mgへ戻すことが可能になっています。
ただし、代替薬で良好な血糖コントロールが維持されている場合には、無理にオゼンピックへ戻す必要はありません。
切り替えの可否は主治医が患者のHbA1c値や体重変化、副作用の発現状況などを総合的に判断して決定します。
オゼンピックへの再切り替え時にも、0.25mgからの漸増が必要になるケースがある点に留意が求められます。
治療薬の選択はあくまで医師と患者の協議に基づくものであり、自己判断での変更は血糖コントロールの悪化を招く可能性があるため避けるべきです。
2025年以降にオゼンピックが再び手に入らなくなる可能性と供給見通し
2025年以降もオゼンピックの安定供給が維持されるかは、多くの2型糖尿病患者にとって切実な関心事です。
ノボノルディスク社はグローバルな増産体制の強化を進めており、日本国内では住友ファーマとの共同プロモーション提携によって情報提供体制も拡充されました。
GLP-1受容体作動薬全体の需要は今後も拡大が見込まれるため、オゼンピック製造中止2025といった懸念が完全に払拭されたわけではありません。
マンジャロをはじめとするGIP/GLP-1受容体作動薬の供給状況も含めて、最新の動向を把握しておくことが重要です。
以下では増産体制の具体的な取り組みと供給見通しを解説します。
ノボノルディスクは製造工場3カ所を取得し増産体制を強化している
ノボノルディスク社はGLP-1受容体作動薬の世界的な供給不足に対応するため、製造能力の大幅な拡充を進めています。
グローバルレベルで複数の製造拠点の取得や拡張に数十億ドル規模の投資を行い、セマグルチド関連製品の生産量を引き上げる計画を推進中です。
日本国内への輸入量の安定化もこの増産体制の恩恵を受けるとみられ、2024年1月の通常出荷再開はその成果の一端といえるでしょう。
ただし、製薬企業が増産体制をとっている一方で日本への輸入量も安定していないとの指摘が2023年時点で学会から出されていた経緯もあります。
増産投資の効果が日本市場に完全に反映されるまでには、さらなる時間を要する可能性がある点を認識しておく必要があるでしょう。
住友ファーマとの共同プロモーション提携で情報提供体制も拡充された
2025年5月、ノボノルディスクファーマと住友ファーマはオゼンピック皮下注2mgの日本国内におけるプロモーション提携契約を締結しました。
この提携により、2025年7月から両社が共同で医療機関への情報提供活動を行う体制が整備されています。
ノボノルディスクファーマが製造販売承認の保持と製造・供給を担い、住友ファーマが国内のプロモーション面で協力するという役割分担です。
販売移管ではなく共同プロモーションであるため、製造販売元はノボノルディスクファーマのまま変更はありません。
情報提供チャネルの拡大は医療機関におけるオゼンピック処方の利便性向上につながるものであり、患者が適切な治療にアクセスしやすくなる効果が期待されます。
ノボ ノルディスク ファーマと住友ファーマは、「オゼンピック®皮下注2mg」について、日本国内におけるプロモーション提携契約を締結した。ノボ ノルディスク ファーマは製造販売承認の保持および製造、供給を担い、ノボ ノルディスク ファーマと住友ファーマが共同で、2025年7月より医療機関への情報提供活動を行います。
引用元:住友ファーマ株式会社
オゼンピックとマンジャロなどGIP/GLP-1受容体作動薬の供給状況の比較
オゼンピックだけでなく、マンジャロをはじめとするGIP/GLP-1受容体作動薬も供給状況に注意が必要な薬剤です。
オゼンピックとマンジャロの供給状況や主な特徴を比較した結果は以下のとおりです。
| 項目 | オゼンピック皮下注2mg | マンジャロ皮下注 |
|---|---|---|
| 有効成分 | セマグルチド | チルゼパチド |
| 作用機序 | GLP-1受容体作動薬 | GIP/GLP-1受容体作動薬 |
| 投与頻度 | 週1回 | 週1回 |
| 2025年の供給状況 | 通常出荷再開済み | 限定出荷の時期あり |
| 日本での適応 | 2型糖尿病 | 2型糖尿病 |
| 製造販売元 | ノボノルディスクファーマ | 日本イーライリリー |
| デバイスの特徴 | ペン型注入器:用量調節可能 | プレフィルドペン:用量固定 |
オゼンピックは2024年1月に通常出荷が再開されている一方、マンジャロも需要拡大の影響を受けて供給が不安定になる局面がありました。
GLP-1受容体作動薬およびGIP/GLP-1受容体作動薬の供給不足は単一の製品だけでなくクラス全体に及ぶグローバルな課題であるため、主治医と相談しながら代替手段も含めた治療計画を立てておくことが、安定した血糖コントロールの維持に役立ちます。
オゼンピックを安全に使用するための注意点と適応外使用のリスク
オゼンピックは2型糖尿病の治療薬として承認された医薬品であり、安全に使用するためには医師の処方と適切な管理が不可欠です。
美容・痩身・ダイエット目的での適応外使用はPMDAや日本糖尿病学会が明確に警告しており、安全性が確認されていない使い方は健康被害のリスクを伴います。
副作用として悪心・嘔吐・下痢などの胃腸症状が報告されているため、症状が持続する場合は速やかに主治医に相談する必要があります。
使用方法や空打ちのやり方、残量確認方法といった基本的な知識を身につけることが、治療効果を最大化し副作用リスクを最小化するための土台です。
以下ではオゼンピックの安全な使用に関する重要事項を項目ごとに詳しく解説します。
オゼンピックは2型糖尿病の治療薬であり医師の処方のもとで使用する
オゼンピックの有効成分セマグルチドは、日本国内で2型糖尿病のみを効能・効果として製造販売承認を取得しています。
医師が患者の血糖値やHbA1c、体重、合併症の有無などを総合的に評価した上で処方する医薬品であり、自己判断での使用開始や用量変更は認められていません。
通常、週1回0.25mgから投与を開始し、4週間後に維持用量の0.5mgへ増量するのが標準的な投与スケジュールです。
インスリン分泌を促進して血糖値を改善する作用機序を持ち、食欲抑制による体重減少効果も臨床試験で報告されています。
処方を希望する場合は糖尿病の診療を行っている医療機関やクリニックを受診し、2型糖尿病の診断を受けた上で医師と治療方針を相談することが第一歩となります。
現時点で日本においてGLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬については、2型糖尿病のみを効能・効果として製造販売承認を取得しているものであり、それ以外の目的で使用された場合の安全性及び有効性については確認されておりません。
美容・痩身・ダイエット目的の適応外使用は安全性が確認されていない
GLP-1受容体作動薬を美容・痩身・ダイエット目的で使用することについて、PMDAとノボノルディスクファーマは明確に注意喚起を行っています。
国内で承認された使用法以外で使用された場合、本来の効果が見込めないだけでなく思わぬ健康被害が発現する可能性も想定されるとの警告が発出されました。
適応外使用に関する具体的なリスクを以下に整理しました。
- 低血糖:2型糖尿病でない方が使用した場合、血糖値が必要以上に低下するリスクがある
- 胃腸障害:悪心・嘔吐・下痢など重度の消化器症状が発現する可能性がある
- 急性膵炎:まれに重篤な膵炎を引き起こすケースが報告されている
- 栄養不良:過度な食欲抑制により必要な栄養素の摂取が不足する可能性がある
- 医療保険の適用外:自費診療となるため費用が高額になり、副作用発現時の救済制度も利用できない
日本糖尿病学会もGLP-1受容体作動薬の適応外使用に関する見解を公開し、適正使用を強く呼びかけています。
減量を目的とする場合は、医師の診察を受けた上で適切な治療法を選択するのが安全な対応です。
GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬は、医師により2型糖尿病の患者様各々の状態をご確認いただいた上で添付文書に従って適切に処方・使用されることを目的とした医薬品であり、国内で承認された使用法以外で使用された場合、本来の効果が見込めないだけでなく思わぬ健康被害が発現する可能性も想定されます。
引用元:ノボ ノルディスク ファーマ
副作用として悪心・嘔吐・下痢などの胃腸症状が報告されている
オゼンピックの主な副作用として、悪心・嘔吐・下痢・便秘・腹痛といった胃腸症状が高い頻度で報告されています。
厚生労働省は医薬品・医療機器等安全性情報No.399にてオゼンピック皮下注SD各規格およびオゼンピック皮下注2mgの重要な副作用に関する情報を公表しました。
胃腸障害は投与開始初期や増量時に発現しやすい傾向があり、多くの場合は投与を継続する中で軽減する可能性があります。
症状が持続する場合は減量を考慮し、さらに改善が見られなければ休薬も検討する旨が添付文書に記載されています。
副作用が発現した際は自己判断で投与を中止せず、速やかに処方元の医師に相談することが適切な対応です。
オゼンピック皮下注0.25mgSD、同皮下注0.5mgSD、同皮下注1.0mgSD、同皮下注2mgについて、重要な副作用等に関する情報が公表されている。
オゼンピックの使用方法・空打ちのやり方・残量確認方法の基本を解説
オゼンピック皮下注2mgを正しく使用するためには、空打ちの手順、残量の確認方法、保管条件を理解しておくことが不可欠です。
SD製剤では空打ちが不要でしたが、2mg製剤ではインスリン注射と同様に使用前の空打ちが必須となっています。
使用方法の基本と注意点を正確に把握することで、治療効果の確保と安全性の維持を両立させることができます。
空打ちは最初だけでなく毎回必要かは添付文書で確認する
オゼンピックの空打ちは最初だけでよいのか毎回必要なのかという疑問は、処方を受けた患者から頻繁に寄せられる質問の1つです。
オゼンピック皮下注2mgの添付文書では、新しいペンを使い始める際に空打ちを行うよう指示されています。
空打ちのやり方は、新しい針を装着した後に用量表示を空打ちマークに合わせ、針先から薬液が出ることを確認するという手順です。
空打ちの量は微量であり、残量への影響は限定的ですが、空打ちを忘れた場合は針内部に空気が残り正確な用量が投与できない可能性があります。
毎回の投与時に空打ちが必要かどうかは添付文書の記載内容を基準とし、不明な点は薬剤師または医師に確認するのが確実な方法です。
オゼンピック皮下注2mgの添付文書に使用方法の詳細が記載されている。
引用元:PMDA 患者向医薬品ガイド
残量確認方法と使い切り・期限切れ時の対応について
オゼンピック皮下注2mgの残量確認方法は、ペン型注入器の窓から薬液の量を目視で確認する方式です。
残量が次回の投与量に満たない場合、そのペンでの投与は行わず新しいペンに切り替える必要があります。
オゼンピックを使い切った場合や残量が不足している状態での投与は、正確な用量が確保できないため避けるべきです。
期限切れのオゼンピックは品質が保証されないため使用せず、医療機関の指示に従って適切に廃棄してください。
使用済みの針や使い切りのペンについても、自治体や医療機関が指定する方法で処分するのが正しい対応となります。
冷蔵庫に入れ忘れた場合の保管と品質への影響について
オゼンピック皮下注2mgは未使用時に2〜8度の冷蔵庫で保管するのが基本です。
冷蔵庫に入れ忘れた場合でも、室温:30度以下で遮光した状態であれば一定期間は使用可能とされていますが、具体的な許容期間は添付文書を確認する必要があります。
高温環境や直射日光にさらされた場合は薬液の品質が変化している可能性があるため、使用を避けるのが賢明です。
一度凍結した製品も品質が損なわれている恐れがあり、再度溶かして使用することは推奨されていません。
冷蔵庫への入れ忘れに気づいた際は放置時間と保管環境を確認の上、判断に迷う場合は薬剤師に相談してから使用可否を決めるのが安全な対応となるでしょう。
