スマホの自撮りで血圧測定が可能に?

スマートフォンで自分の顔の動画を撮影するだけで、簡単に血圧を測定できる技術を開発したと、カナダのトロント大学発達神経科学のKang Lee氏らが「Circulation: Cardiovascular Imaging」8月6日オンライン版に発表しました。

Smartphone-Based Blood Pressure Measurement Using Transdermal Optical Imaging Technology.

Journal:Circulation. Cardiovascular imaging. 2019 Aug;12(8);e008857. doi: 10.1161/CIRCIMAGING.119.008857.

Author:Hong Luo, Deye Yang, Andrew Barszczyk, Naresh Vempala, Jing Wei, Si Jia Wu, Paul Pu Zheng, Genyue Fu, Kang Lee, Zhong-Ping Feng

この技術を用いれば、顔の血流を画像化するだけで血圧を予測できるとのこと。

高血圧であると心筋梗塞や脳卒中の発症リスクが如実に高まるので、近年、高血圧の対する治療の重要性が取り沙汰されています。それが証拠に、年々、高血圧の基準が厳しく見直されていることをご存知の方も多いのではないでしょうか。

しかしながら、自分が高血圧であることを知らない人も多いです。同氏らは「自宅でより簡便に血圧スクリーニングが行えるようになれば、多くの命を救えるかもしれない」と期待を示している。

Lee氏らが用いたのは、経皮光学イメージング(transdermal optical imaging)と呼ばれる新しい技術です。

この技術は、皮膚を透過する光とスマホの光学センサーを用いて、スマホで撮影した顔の動画から血流のわずかな変化をとらえるもの。同氏らは、機械学習アルゴリズムを用いて、顔の血流データから血圧値と脈拍を予測する計算モデルを開発したとのこと。

尚、興味深いことに、顔の血流パターンで子どもの嘘を見抜く方法を開発しているときに、顔の血流と血圧が関係することを偶然発見したとしている。

Lee氏らは、カナダおよび中国で登録した計1,328人の正常血圧の成人を対象に、この技術による血圧予測の精度を調べました。参加者に、iPhoneで自分の顔の動画を2分間撮影してもらい、そのデータから計算モデルで予測した血圧値と従来の方法で測定した血圧値を比較しています。

その結果、計算モデルでは収縮期血圧を95%、拡張期血圧は96%の高い精度で血圧を予測できることが分かっています。Lee氏は「スマホで顔を撮影してから30秒以内に血圧を高い精度で予測できることが明らかになった」と述べている。

但し、この技術の実用化には多くの解決すべき課題があるようです。

例えば、今回の研究では厳密に管理された環境下で顔の撮影を行っていますが、実際には、家庭用の照明の下でもこのシステムを使えるようにしなければなりません。また、動画の撮影時間を30秒以内に短縮したり、高血圧や低血圧の人、さまざまな肌の色の人を対象とした試験を実施したりする必要があるとしています。

Apple Watchでは心拍数の測定が可能になって既に久しいです。また空港などでは顔などをイメージセンサーで読み取り、体表温スクリーニングによって発熱者を鑑別しています。そして血圧までも。

技術の進歩によって、人類の健康が促進されるのであれば、大いなる発展を望みます。

クリニックで皆様のお越しをお待ち申し上げております。

A CLINIC銀座 院長

美容外科専門医・美容皮膚科医 佐藤 玲史

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