豊胸用バッグ、メーカーが自主回収と販売停止

先月、表題のようなニュースが流れ、保険診療分野のみならず、豊胸手術を行う美容外科医の間でも話題となりました。

【ワシントン共同】米食品医薬品局(FDA)は2019年7月24日、がんで切除した乳房の再建や豊胸手術などで使われる人工乳房が原因とみられるリンパ腫により世界で33人が亡くなったと発表した。死者以外に573人の患者を確認。大半がアイルランド製薬大手アラガンの製品を使用していた。同社は世界的に対象製品を自主回収し、販売停止すると同日発表した。

日本では日本法人のアラガン・ジャパンの製品が承認されている。関連学会が国内初の患者を確認したのを受けて、厚生労働省が6月、リスクを患者に説明することを添付文書に記載するよう指示していた。

FDA集計での日本人の死者、患者数は不明。

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https://this.kiji.is/526916697342641249?c=39546741839462401

私は今までアラガン社製の豊胸用バッグは使用したことありませんが、同様のタイプ(表面がザラザラしたテクスチャードタイプ)を使用していたことがありました。(最近の製品はザラザラしたタイプではなく、より安全な比較的表面が滑らかなタイプに変わってきています)

アラガン社の製品は、日本では公的医療保険の対象で保険が効くので、主に乳癌などで乳房を切除した方がお胸を再び作る時に使用されていました(乳房切除後の乳房再建術)。

日本では、公的医療保険の対象で現在使われている製品がほかにないため、手術が止まっているとのことです。保険診療でお胸を再び作りたいと願う人にとっては、残念ながら現在選択肢がないことになります。大変遺憾でお困りの方も多いと思われます。お金を気にしない人は自由診療、つまり私共のような美容外科などでの手術を検討することになります。

ここで、「リンパ腫」と言われているものは未分化大細胞型リンパ腫(ALCL) のことで、元々、稀な癌で豊胸術を受けた患者さんの間でも非常に稀な発生率でしかありません。バッグとの関連性は、表面のザラザラしたテクスチャードタイプとの関連性が確定したということで、アラガン社が自主回収を行っています。日本でも、この製品が承認されています。

因みに、記事の中で「 アイルランド製薬大手アラガン 」とありますが、アラガン社は米国系の会社なのですが、法人税の安いアイルランドに本社を置いています。したがって、企業の国籍はアイルランドと記載されています。

悪性リンパ腫が疑われる場合、乳房が急に膨らむ、人工乳房周辺に痛みや赤みが出るなどの兆候が報告されています。症状のある人はすぐに受診してください。早期なら、人工乳房と周囲を摘出すれば治ります。こうした症状がなければ、摘出は不要です。ただ、術後の定期検診を欠かさないことが肝要かと思います。

私は美容外科医になってから、女性にとっての胸のボリュームは単なる異性を意識したものではないと知りました。

「素敵な洋服をスタイルよく着こなすには胸が必要なんです」

ご高齢のご婦人が「みんなで温泉に行った時にこのままでは恥ずかしくて…」

トランスジェンダーの方が手術後に「これが本来の私の姿です」と涙されたり。

皆様の「こうありたい!」という願いの一助となりたいです。

クリニックで皆様をお待ち申し上げております。

A CLINIC 銀座 院長・指導医

美容外科専門医・美容皮膚科医 佐藤 玲史

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