スレッドリフト③/『溶ける素材』か『溶けない素材』か

前回の予告通り、今日は糸リフトの素材についてです。

まず大きく分けて『溶けない素材』『溶ける素材』の二つに分けられます。

『溶けない素材』としては、前回取り上げた「金の糸」のほかに「ナイロン」「ポリプロピレン」「ポリエステル」「シリコン」などがあり、これらを組み合わせたものも存在します。

一方、『溶ける素材』としては、「PDO(Polydioxanon/ポリジオキサン)」「PCL(Polycaprolactone/ポリカプロラクトン)」「PLA(Polylactic Acid/ポリ乳酸)」「PLGA(L-lactide/L-ラクチドおよびPolyglycolic acid/ポリグリコ酸)」などがあり、やはりこれらを組み合わせたものも存在します。

前回、私は『溶けない素材』の「金の糸」は幾つかの理由からお勧め出来ない、とお書きしました。

そしてその他の『溶けない素材』に関してもやはりあまりお勧め出来ません。

その理由は、まず前回もお書きしたように、

身体の中に何か異物を入れる場合、中長期的な視点に立って慎重に考えるべきだと思います。

それ故に『溶けない素材』は漠然とリスキーに感じます。

「漠然とリスキー」というのは、非科学的ですね。このような動物的な勘も大切だなと個人的には考えているのですが、幾つかご説明しますね。

今は健康で丈夫な身体であっても、将来、大きな病気をしたりして免疫力が弱くなったりしたら、糸が溶けずにのこっていたら、その糸が感染源になってしまうことが考えられます。

また極端に痩せて脂肪が少なくなり皮膚が薄くなってしまったら、もしかしたら糸が浮き出てくることもあるかもしれません。浮き出てくるだけならまだしも、皮膚を突き破って出てくることもあるかもしれません。とても怖いです。

ですので、やはり私は、

『溶ける素材』にすべきだと考えます!

 

しかしながら、この『溶ける素材』か『溶けない素材』かについては議論の分かれるところです。

 

前回紹介した雑誌(「PEPARS No.148」全日本病院出版会 (2019/4/24))の中で、私と真逆の意見、つまり『溶ける素材』は使うべきではない、『溶けない素材』を使うべきだ、という考えをお持ちの先生(深谷元継 先生)もいらっしゃいます。

「PEPARS No.148」全日本病院出版会 (2019/4/24)

またこの雑誌には、『溶けない素材』(この雑誌の中では『非吸収性素材』)を多用していらっしゃる先生方からの寄稿も多くありました。

深谷先生が主張されている『溶けない素材』のメリットを下記します。

『溶けない素材』のメリットの一つは、やはり効果が長持ちすることである、とされています。

『溶ける素材』は加水分解によって溶けていく素材であるが、完全に溶け切らないまでも、早いうちに所々断裂するのであっという間に張力を失い、効果がなくなるとのこと。

また『溶ける素材』であるが故に、その分解産物によってアレルギーを起こすリスクが高い、と主張されている。

更に、感染症などのトラブルが生じたときに断裂してるが故に完全に抜去することが難しい、と述べられています。

 

どの素材にすべきかは、このように議論の分かれるところです。

どちらにも長所短所があり、正解はないのかもしれません。

このような長所と短所を熟知し、患者様一人一人にあったものを提案できるドクターにご相談ください。

クリニックで皆様のお越しをお待ち申し上げております。

A CLINIC銀座(月水木土)

A CLINIC横浜(金)

美容外科専門医・美容皮膚科医 佐藤 玲史

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