大麻・麻薬・覚醒剤など④

今回で4回目となった薬物問題です。

先日も、大麻取締法違反の罪で起訴されていた、元KAT-TUNメンバーの田口淳之介被告が湾岸警察署から保釈された際の土下座姿は大きな反響を呼びました。

保釈された田口淳之介被告(写真:日刊スポーツ/アフロ)

 人気アイドルの土下座、イケメンの土下座姿に賛否両論が沸き起こりましたが、それだけ薬物問題が大きな波紋を呼ぶ悪しきモノであることが分かります。

 

今回は今まで話題としてきた大麻以外の薬物について、備忘録としてまとめてみます。

 

ヘロイン(阿片、モルヒネ)

アヘン戦争の元になったことでもよく知られるアヘンとは芥子(ケシ。アヘンを含むケシ科の植物)の未熟な実から出る乳液を乾燥させたものです。

少し脱線しますが、あんぱんなどの上に乗っているつぶつぶの実は、なんと同じケシの実です。七味唐辛子にも大麻の実が入っていることを紹介しましたが、身近にも結構あるんですね。

銀座 木村屋總本店のHPより

さて、アヘンは紀元前4000年のメソポタミア文明の頃から使われていた記録があるそうです。18世紀にアヘンを喫煙する習慣ができると、インドで栽培したアヘンを中国で違法に売りさばく事で巨利を得ることができるようになり、それを禁止した中国に対して英国が起こした戦争がアヘン戦争です。

第二次大戦やベトナム戦で戦傷の鎮痛剤としてアヘンに10%ほど含まれるモルヒネが製品化されて米国の兵士が携行するようになるとそれを常用する依存症が現れて問題になります。アヘンからは他にもコデイン(0.5%含まれる)や臨床的に癌の鎮痛などで最も使われるオキシコドン(0.2%含まれるテバインから合成)など多くの派生品があり、ヘロインはモルヒネから半合成的に作られたジアセチルモルヒネの事で、製薬会社のバイエル社が製品化したものです。

コカイン

粘膜の麻酔作用と覚醒剤的作用があることからコカの木の葉を精製抽出して作られるものです。

南米が原産であり、コロンビアのメディシンカルテルが犯罪組織として有名です。

Wikipediaによると20世紀初頭までコカ・コーラにも成分として入っていたそうですが、今はカフェインに変わっているそうです。ここでも意外にも身近にありました。ネーミングが「コカ」ですからね。

クラックと呼ばれるタバコのように喫煙(あぶって煙を吸うことも)するタイプもあって短時間の多幸感が得られて簡便ということで人気があるらしいのですが、かえって中毒になりやすいなど良い事はありません。

覚醒剤

LSDとかエクスタシーと呼ばれるMDMAなどの合成麻薬で多幸感や幻覚作用を有します。

六本木などの繁華街で、関東連合や反社会勢力、またそのような団体と接点があったタレントの事案などでも有名です。

歴史の古いLSDはライ麦に付く麦角菌が合成するアルカロイドから作られたもので、強い幻覚作用があり、薬効が切れた後の爽快感などがあります。そのため芸術家や70年代のヒッピー、フラワーチルドレン世代に愛用された歴史があります。LSDは1938年に麦角の血管収縮作用を研究している際にサンド社の化学者が発見したもので、正当な治療薬としてその際に開発された類似化合物は偏頭痛の治療薬や出産後の血管収縮材として実際に使われています。

MDMAは永続的な記憶障害や神経細胞の破壊や障害を残す恐れがあり、レイヴパーティーなどでは死亡者が出る事もあると言われていて、大変危険なものです。

  

これらの薬物が依存性を持つのは次のように説明されます。

精神的な依存性に加えて、人間が本来持つ脳内物質が外から大量に与えられるため、自分本来の麻薬類似物質を出す能力が不要となり衰退してしまいます。その結果、薬が外から与えられないと自分で多幸感を感ずる麻薬類似物質を出せなくなってしまい、薬が切れると無性に苛立ったり不幸感に襲われたりする苦しさを味わうことにあります。

しかし反対に、癌患者の疼痛治療にモルヒネが使われても中毒にならないと言われるのは、次のように説明されます。

癌の疼痛刺激がある状態でそれを緩和させるモルヒネが外から与えられても、自分自身が出す脳内麻薬類似物質の分泌は抑制されず、むしろ需要過多の状態が均衡されるだけであるからだと説明されています(このことは動物実験などでも明らかになっているそうです)。

このことはステロイドの長期投与の時の注意点と似ています。

ステロイドは副腎皮質から分泌されるホルモンなので、ステロイドを長期投与すると、副腎皮質からのホルモン分泌が不要となり、二次性の副腎機能低下症をきたします。ここで急にステロイド投与を中止してしまうと副腎不全に陥ります。

ステロイドを麻薬もホルモンも「本当に必要とされる場合以外は害にしかならない」という事実は一致していると言えるでしょう。

いかなる違法薬物も医学的にも全く推奨されません。決して手を出してはなりません。

 

クリニックで皆様のお越しをお待ち申し上げております。

A CLINIC銀座(月水木土)

A CLINIC横浜(金)

美容外科専門医・美容皮膚科医 佐藤 玲史

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