美容外科医の本音③/Real intention③

今回も本音を少し吐露します。

前回のBlog(『セミナー参加報告』(2019/03/15))で、あるセミナーに参加したことをお書きしました。その際、ふと考えた事があります。

通常、このような学会やセミナーなどの会合には、多くの協賛企業のブースが並びます。特に美容医療系の学会は、華やかな印象が強いです。

言い換えれば、商業目的の色彩が強いです。

自社製品を盛んにアピールし、営業担当者がドクターを積極的に捕まえては、丁寧な説明をしてくれた上にチラシやサンプルを配布します。ボールペンやメモなどのノベルティグッズもくれたりします(助かっています、ありがとうございます)。

確かに、これらの協賛企業によって学術集会は支えられていますし、多くのコストがかかる研究開発には、アカデミック的な側面とコマーシャル的な側面とは表裏一体なのかもしれません。協賛企業の存在なくしては美容医療の発展もなかったのかもしれませんし、今後も企業の協賛は必須でしょう。


ですが、どの商品も何だか胡散臭いのです。

(協賛企業さん、すみませんっ!)

どのブースもとても魅力的な言葉が並んでいます。

『レモンやレスベラトロールの数百万倍の抗酸化力!』とされるサプリメントを宣伝するブースがあったり、そのすぐ隣には『〇〇研究所が研究・開発した最高・最強の抗酸化物質レスベラトロール!』といった具合です。

この他にも様々なサプリメントやドリンク、更にはチョコレートまでありました。

チラシにも実に魅力的な言葉や症例写真が並んでいます。

ですが、悲しいことに信憑性はあまりなさそうです。

そこを見越してどこかの論文を添付してエビデンスを担保しようとしている商品もありましたが、その論文をよく読むと、臨床レベルでは実証されているわけではなかったりと疑問を完全には払拭出来ないものが多い印象でした。

なぜ健康・美容系はこのように信頼性の低い商品や記事が氾濫しやすいのでしょうか。

その理由の一つは、健康や美容に関係することはなかなか結果が表れないし、更に因果関係を証明することが難しいことが挙げられます。

例えば『○○が美白に良い!』と言われても、細胞レベルでは効果があっても、肌など外から見て効果が出るまでに時間がかかるため、すぐには効果判定ができないし、仮に肌が白くなってきても果たしてその原因はその商品によるものなのか証明できない、といったことがあり得ます。

ところがこれが別の分野でしたらすぐに検証され、評価、検討、淘汰されていきます。

例えば『このアプリはカロリー計算に良い!』と言われたら、すぐに使ってみて、カロリー計算や個別のダイエット計画にすぐに役立てられたり、アドバイスが得られたり出来たら、すぐに高く評価され広く広まるでしょう。

すなわち、このような例えばIT関連などの情報はすぐに検証され、評価することが出来ます。もし出来が悪えればすぐに非難され、淘汰されます。

 

一方、健康、美容など人体に関することなかなか結果や因果関係が分かりにくいということがあります。

つまり、エビデンスがあったとしても微妙なものでしかない商品を、さも絶大な効果があるかのように宣伝・販売してしまう傾向があります。

更にそこに商機があるとみて飛びつく医師が少なからずいます。

そして医者の言うことならと、そして綺麗になるならと、安易に信じてしまう患者様がいます。

そういう意味で、健康・美容などに関することには、医師はサイエンスの側面を忘れず、冷静な判断をすべきである。また患者様側にもある程度の科学リテラシーが求められてきます。

私は常日頃からサイエンスを忘れず、冷静な判断をしていきたいと考えています。

皆様のご来院をお待ちしております。

A CLINIC 銀座(月水木土)

A CLINIC 横浜(金)

美容外科専門医・美容皮膚科医 佐藤 玲史

関連記事

  1. ファジー(Fuzzy)のすすめ

  2. 大麻・麻薬・覚醒剤など②

  3. 美容外科医の本音⑤/Real intention⑤

  4. がんのリスクはワイン1本でタバコ何本分に相当?/How ma…

  5. 大麻・麻薬・覚醒剤など④

  6. 新元号「令和」

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。